押入れ・納戸の片付け ― 全部出さない。手前の一段だけを出して戻す
押入れと納戸の片付けで最も多い失敗は、中身を全部出してしまうことです。床が埋まり、その日のうちに戻せず、翌日から生活の邪魔になって作業が止まります。出すのは手前の一段だけ、その日のうちに戻す、を繰り返します。
中身は「今の生活で使う物」「季節で使う物」「保管しておく物」「中身の分からない箱」の四つに分かれます。中身の分からない箱は、その場で開けずに一か所に集め、別の日に開けます。
全部出すと戻せなくなる
片付けの本や動画では「一度全部出す」とよく言われます。引き出し一つならその通りですが、押入れや納戸で同じことをすると、畳一枚分から二枚分の物が床に出ます。分ける作業が夕方までに終わらず、寝る場所を作るために適当に戻すことになります。
押入れで守るのは、「その日のうちに元に戻せる量だけ出す」です。手前の一段、上段の右半分、というように区切ります。一回の作業は九十分までにし、終わりの三十分は戻す時間に使います。
もう一つの理由は、押入れの物は「いつか使う」の集まりであることです。出したその場で使う・使わないを決めようとすると、一つひとつに時間がかかります。決めるのは四つの種類への振り分けまでにし、使うかどうかの判断は、種類ごとにまとめてから行います。
出てくる物の四つの種類
押入れから出てくる物は、四つに分かれます。種類ごとに扱いが違うので、出した物はまずこの四つに分けます。
| 種類 | 例 | その場でやること |
|---|---|---|
| 今の生活で使う物 | 掃除機、アイロン、来客用の布団(実際に使っている) | 使う場所の近くへ移す。押入れに戻すなら手前の一段 |
| 季節で使う物 | 扇風機、暖房器具、こたつ布団、スキー用品 | 使う季節が言えるなら奥か上段へ。二年以上使っていない物は手放す側へ |
| 保管しておく物 | 書類、アルバム、子どもの作品、記念の品 | 中身を確かめて、保管する箱を一つ決めて入れる。判断が重い物は別の日に |
| 中身の分からない箱 | 前の引越しのまま開けていない箱、もらった物の箱 | その場で開けない。玄関側の一か所に集めて、別の日に一箱ずつ開ける |
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進め方の順番
段ごとに、出す・分ける・戻すを一回で完結させます。
最初
下段の手前を出す。掃除機や布団など重くて大きい物が多い場所
なぜ床に近く、出し入れの負担が少ない。ここが空くと、上段の物を下ろす仮置きに使える
次
下段の奥。出した物を四つに分け、使う物と季節の物だけ戻す
なぜ奥は「入れたまま忘れた物」が集まる。ここで手放す物の量が一番出る
その次
上段。手前から同じ手順。重い物は下段へ移し、上段には軽い物だけ
なぜ上段に重い物があると、出すたびに危ない。軽い物に入れ替えると次の片付けが楽になる
最後
天袋。踏み台を使い、一つずつ下ろす。開けていない箱は下ろして玄関側へ
なぜ天袋は中身を忘れている物がほとんど。ここだけは二人で作業する
重い物と高い場所は、安全を先に
押入れの上段や天袋には、重い箱が載っていることがあります。頭の上から物を下ろすとき、片手で支えられないなら一人で下ろさないでください。踏み台は安定した物を使い、椅子の上に立たないようにします。
布団は見た目より重く、湿気を含んでいると持ち上げにくくなります。一枚ずつ引き出し、床を滑らせて動かします。カビや虫食いが出ている布団は、袋に入れて口を閉じてから運びます。
ガラス製品や陶器が入っている箱は、上に物を載せずに床に置きます。中身が分からない箱は、持ち上げる前に一度傾けて重さを確かめてください。
空いた押入れの使い方
空いたところに、また物を入れ直すと元に戻ります。押入れを「使う物を置く場所」と決め、保管したいだけの物は箱の数を決めて、その箱に入る分だけ残します。
戻すときは、手前に使う回数の多い物、奥に季節の物、上段に軽い物、下段に重い物です。中身が見えない箱には、外側に品名を書いた紙を貼ります。次に開けたとき、また「分からない箱」にならないためです。
開ける前に用意する物
押入れは開けてから物を探しに行くと、出した物が床に広がったまま時間が過ぎます。先に手元にそろえます。
押入れ・納戸を開ける前に
- 安定した踏み台。椅子の上には立たない
- マスクと手袋。奥の物にはほこりとカビが付いている
- ごみ袋と、手放す物を入れる大きな袋。口を閉じて玄関側へ運ぶ
- 床に敷く布かシート。出した物をその上だけに置く
- 品名を書く紙とペン、テープ。戻す箱の外側に貼る
- タイマー。九十分で止め、最後の三十分で戻す
迷ったときの分かれ目
中身の分からない箱を、その場で開けるか
その場で開ける
箱が一つか二つで、軽く、時間が残っているとき。開けて空になれば、その日のうちに一つ減る
別の日に開ける
箱が三つ以上あるとき。開けるたびに判断の重い物が出て、押入れの作業そのものが止まる。玄関側に集めて日を分ける
使っていない来客用の布団を残すか
残す
この一年に泊まりの来客があり、次の予定も言えるとき。一組に絞って、湿気を避けて上段へ
手放す
何年も使っておらず、カビやにおいが出ているとき。布団の出し方は市区町村ごとに決まりが違うので、粗大ごみか可燃ごみか確認してから出す
押入れ・納戸の片付けのよくある質問
押入れの片付けは全部出してからやるべきですか
押入れと納戸は全部出さないでください。畳一〜二枚分の物が床に出て、その日に戻せなくなります。手前の一段だけを出し、四つの種類に分けて、その日のうちに戻す。これを段ごとに繰り返します。
中身の分からない箱が何箱もあります
その場で開けずに、玄関側の一か所に集めてください。開けると判断の重い物が出て、押入れの作業が止まります。別の日に一箱ずつ開けます。持ち上げる前に傾けて重さを確かめ、重い箱は一人で下ろさないでください。
布団はどう捨てればいいですか
布団の出し方は市区町村ごとに違います。粗大ごみとして申込みが必要な所、切って可燃ごみに出せる所、枚数で料金が決まる所があります。お住まいの市区町村の案内で確認してから出してください。
空いた押入れにまた物が増えてしまいます
押入れを「使う物を置く場所」と決め、保管するだけの物は箱の数を先に決めます。箱に入る分だけ残し、外側に品名を書いた紙を貼ります。手前に使う回数の多い物、奥に季節の物と並べると、戻す場所が決まっていて増えにくくなります。
天袋や上段の作業を一人でやってもいいですか
軽い物だけなら一人で構いませんが、重さの分からない箱と布団は二人で下ろしてください。頭の上から物を下ろすときに片手で支えられないと、落として足やガラス製品を傷めます。持ち上げる前に一度傾けて重さを確かめ、重ければその日は下ろさずに次回に回します。
この記事の親ページ
家の片付けの進め方|どこから始めて、どの順番で終わらせるか家全体を片付けるときの順番と、途中で止まったときの立て直し方をまとめてあります。
押入れ・納戸の片付け ― 全部出さない。手前の一段だけを出して戻すについて詳しく
押入れ・納戸の片付け ― 全部出さない。手前の一段だけを出して戻す、というのがこのページの考え方です。押入れと納戸の片付けで最も多い失敗は、中身を全部出してしまうことです。床が埋まり、その日のうちに戻せず、翌日から生活の邪魔になって作業が止まります。そのため、出すのは手前の一段だけにして、その日のうちに戻す、という流れを繰り返します。このページでは、その進め方を段ごとの順番、安全面の注意、迷いやすい場面の分かれ目まで順に説明します。
片付けの本や動画では「一度全部出す」とよく言われます。引き出し一つならその通りですが、押入れや納戸で同じことをすると、畳一枚分から二枚分の物が床に出ます。分ける作業が夕方までに終わらず、寝る場所を作るために適当に戻すことになります。押入れの物は「いつか使う」の集まりでもあるので、出したその場で使う・使わないを決めようとすると、一つひとつに時間がかかります。決めるのは種類への振り分けまでにし、使うかどうかの判断は、種類ごとにまとめてから行います。
出てきた物は、「今の生活で使う物」「季節で使う物」「保管しておく物」「中身の分からない箱」の四つに分けます。中身の分からない箱は、その場で開けずに一か所に集め、別の日に開けます。一回の作業は九十分までにし、終わりの三十分は戻す時間に使います。区切り方は、手前の一段、上段の右半分というように、その日のうちに元に戻せる量にします。布団を手放す場合は、市区町村ごとに出し方が違うので、先に案内を確認してください。
進め方と注意点
進め方は、段ごとに出す・分ける・戻すを一回で完結させる形です。最初は下段の手前です。掃除機や布団など重くて大きい物が多い場所で、床に近く出し入れの負担が少なく、ここが空くと上段の物を下ろす仮置きに使えます。次に下段の奥です。出した物を四つに分け、使う物と季節の物だけ戻します。奥は「入れたまま忘れた物」が集まるので、手放す物の量が一番出る場所です。その次が上段で、手前から同じ手順で進め、重い物は下段へ移して上段には軽い物だけを置きます。最後が天袋で、踏み台を使って一つずつ下ろし、開けていない箱は玄関側へ運びます。天袋は中身を忘れている物がほとんどなので、ここだけは二人で作業します。四つの種類の扱いは、季節の物なら使う季節が言えるものを奥か上段へ戻し、二年以上使っていない物は手放す側へ回します。保管しておく物は、中身を確かめて保管する箱を一つ決めて入れ、判断が重い物は別の日にします。
注意点は安全面が中心です。上段や天袋の重い箱を頭の上から下ろすとき、片手で支えられないなら一人で下ろさないでください。踏み台は安定した物を使い、椅子の上には立ちません。布団は見た目より重く、湿気を含むと持ち上げにくくなるので、一枚ずつ引き出して床を滑らせて動かします。カビや虫食いが出ている布団は、袋に入れて口を閉じてから運びます。ガラス製品や陶器が入った箱は、上に物を載せずに床に置きます。中身が分からない箱は、持ち上げる前に一度傾けて重さを確かめてください。始める前には、踏み台、マスクと手袋、ごみ袋と手放す物用の大きな袋、床に敷く布かシート、品名を書く紙とペンとテープ、タイマーを手元にそろえておくと、出した物が床に広がったまま時間が過ぎることを防げます。
進めるコツ
進めるコツは、迷う場面の分かれ目をあらかじめ決めておくことです。中身の分からない箱は、一つか二つで軽く時間が残っているならその場で開け、三つ以上あるなら玄関側に集めて日を分けます。来客用の布団は、この一年に泊まりの来客があり次の予定も言えるなら一組に絞って湿気を避けて上段へ、何年も使わずカビやにおいが出ているなら手放す側に回します。片付けが終わったあとは、押入れを「使う物を置く場所」と決め、保管したいだけの物は箱の数を先に決めて、その箱に入る分だけ残します。戻すときは、手前に使う回数の多い物、奥に季節の物、上段に軽い物、下段に重い物とし、見えない箱の外側には品名を書いた紙を貼ります。次に開けたとき、また「分からない箱」にならないためです。
よくある質問
- 押入れの片付けは全部出してからやるべきですか
- 全部出すのは避けてください。押入れや納戸で全部出すと、畳一枚分から二枚分の物が床に出て、分ける作業が夕方までに終わらず、適当に戻すことになりがちです。手前の一段、上段の右半分というように区切り、その日のうちに戻せる量だけ出します。
- 中身の分からない箱が何箱もあるときはどうしますか
- その場で開けず、玄関側の一か所に集めて、別の日に一箱ずつ開けます。箱が三つ以上あるときは、開けるたびに判断の重い物が出て、押入れの作業そのものが止まるためです。箱が一つか二つで軽く、時間が残っているときだけ、その場で開けても構いません。
- 布団はどう捨てればいいですか
- 出し方は市区町村ごとに違います。粗大ごみとして申込みが必要な所、切って可燃ごみに出せる所、枚数で料金が決まる所があります。カビやにおいが出ている布団は袋に入れて口を閉じてから運び、お住まいの市区町村の案内で確認してから出してください。
- 天袋や上段の作業は一人でもできますか
- 軽い物だけなら一人で構いませんが、重さの分からない箱と布団は二人で下ろしてください。片手で支えられないと、落として足やガラス製品を傷めます。持ち上げる前に一度傾けて重さを確かめ、重ければその日は下ろさず次回に回します。踏み台は安定した物を使い、椅子には立たないでください。