遺品整理を業者に依頼する方は増えています。しかし遺品整理を業者に依頼する前には必ず確認しておかなくてはならないことがあります。それが相続です。遺品整理を業者に依頼したいと考えている方に向けて相続に関する注意点をまとめていきますので、ぜひご確認ください。
遺品整理をした場合は相続放棄できないため注意
遺品整理を行った場合、その時点で相続の意思があると判断されます。故人が亡くなったのだから、遺品整理をするのは当たり前のことと思っている方も多いでしょう。また同様に、相続するのは当たり前と思っている方も多いです。
しかし相続するものがプラスのものだけとは限りません。相続するということはマイナスの財産も相続するということになります。相続するものを選んで、得するものだけを相続し、そうではないものは相続しないというような方法は行えません。相続すると決めたら、プラスのものもマイナスのものも相続することになるのです。
相続するものがプラスになれば問題はないでしょう。問題があるのは相続するものがマイナスになってしまう場合です。たとえトータルでマイナスになったとしても、相続することを決定した後では相続放棄は行えず、そこに残るのは借金だけとなります。
遺品整理を行った場合、相続の意思があると判断されます。そのため相続放棄を行おうと思っている方は、遺品整理業者に依頼するのは待ってください。すぐにでも処分してしまいたいと考えていても、まずは相続放棄が認められるのを待つべきです。
相続放棄したあとでも管理義務はあるため注意
相続放棄したのだから、遺品整理は行わなくて良いと思っている方も多いです。しかし相続放棄が決定するまで遺品整理を行わないというのが正しいのであって、遺品整理をする義務がなくなったわけではなく、管理義務は残っていますので、遺品整理自体を行う必要はあるのです。
この場合では相続放棄が正式に決まった後、遺品整理を行うこととなります。この場合は基本的には財産を処分していくことになりますが、処分の際に買取できた製品などの費用に関しては受け取ることができます。自分自身で行いたくない場合は、相続財産管理人を選出し、その方が遺品整理業者へ遺品整理を依頼することになるでしょう。この場合でも相続財産管理人へ予納金と言って、処理にかかるであろう費用をあらかじめ渡しておく必要があります。
この予納金は実際に利用した分以外は後から手元に戻ってくる仕組みですが、およそ100万円前後必要と言われています。もちろん100万円なければ相続財産管理人を選出することができないというわけではありません。特に注意して欲しいケースは故人が賃貸に住んでおり、その契約終了に伴い荷物の処分を求められているような場合です。このような時は急いで遺品整理をしてしまいがちですが、相続放棄をする際には手順を間違えてはいけません。
相続関係で悩んでいる場合は遺品整理前に弁護士へ相談しよう
相続に関する問題は非常に難しいです。遺品整理業者は遺品整理のプロではありますが、相続等法に関するプロではありません。そのため相続関係で悩んでいる場合は遺品整理前に弁護士へ今後の対応を相談することをおすすめします。
特に相続放棄を検討している場合、どのような手順で遺品整理を行っていくべきなのかは非常に細かいルールが定められていますので、専門家に相談することが大事です。
現在遺品整理を行ったことにより相続放棄することに失敗してしまった方が増えていると言われていますので、十分に注意しましょう。特に多いのが、アパートなど賃貸物件での遺品整理です。相続放棄はしたいものの遺品整理に関する義務が発生し、さらに賃貸契約の関係上早く荷物を手放したいと考えている方も多いでしょう。
専門家へ依頼することにより解決することが出来るもの、解決方法が分かるものがありますのでしっかり相談の上で遺品整理を行うようにしてください。
遺品整理業者に依頼する場合には相続人の同意を得よう
相続に関し特にトラブルもなく、相続人が相続をすることを決定している場合でも遺品整理はその中の1人が勝手に行って良いものではありません。費用やそこで得た利益をもしっかりと分配したいと考えているのであれば、相続人全員からの同意を得るべきです。
特に相続する財産が多い場合はトラブルになりやすいため注意が必要です。遺品整理はどうじても費用が発生してしまいますので、未然にトラブルを防ぐことを忘れずに意識しておくことをおすすめします。トラブルは今後増加するのではないかと言われていますので、慎重に行ってください。