片付けのやる気が出ないとき
やる気が出ないとき ― 気持ちを変えずに、手が動く形を作る
やる気は、始めた後から出てきます。始める前に用意するのは気持ちではなく、5分で終わる作業と、その場ですぐ使える道具です。
片付けが苦手だと感じている方の多くは、判断が遅いのではなく、一回の区切りが大きすぎるところで止まっています。区切りを、終わりが自分で分かる大きさまで小さくすると、同じ人でも進み方が変わります。
やる気が先に来ることは、あまりない
片付けを始める前に気持ちが乗ってくるのを待っていると、たいてい始まりません。手を動かしているうちに、続けられる状態になっていく順番の方が現実に近いからです。
そのため、準備するのは意欲ではなく着手です。着手が重くなる原因は決まっていて、作業が大きすぎる、道具が手元にない、終わりが見えない、の三つです。どれも、始める前に外せます。
「やる気が出ない」と感じているとき、実際には「どこから手を付ければいいか分からない」ことが多くあります。この場合は気持ちの問題ではなく、決めていないことがあるだけです。
5分で終わる作業を、あらかじめ決めておく
調子が出ない日のために、考えずにできる作業をいくつか決めておきます。判断が要らないこと、道具を探さなくてよいこと、5分で完結すること。この三つを満たすものだけを候補にします。
調子が出ない日にやること(どれか一つだけ)
- ゴミ袋を一つ結んで、玄関の外に出す
- テーブルの上の物を、置き場所のある物だけ戻す
- 冷蔵庫の中の期限切れを一つ探して出す
- 郵便物の山から、要らない紙だけを抜く
- 洗面台の上の物を全部どけて、台を拭いてから必要な物だけ戻す
- 玄関に出ている靴を、一人一足だけ残して収める
始める前に置いておく物
作業が中断する原因の多くは、道具を取りに行くことです。ゴミ袋を探す、はさみがない、袋がいっぱいで新しいのを取りに行く。そのたびに手が離れ、戻ってこないことがあります。
片付けをする場所に、ゴミ袋・空の箱・油性ペンを置いたままにしておきます。しまわないでください。見えるところに置いてあることが、始める合図になります。
服や書類が多い家では、たたむための平らな面も先に空けておきます。テーブルの上が物でふさがっていると、それを片付けるところから始めることになり、そこで終わります。
片付けが苦手だと感じる、本当の理由
苦手だと感じている方に共通しているのは、能力ではなく設計です。よくある四つを挙げます。
| 起きていること | 苦手に見える理由 | 変えるところ |
|---|---|---|
| 「今日はリビング」のような区切りで始める | 終わりが自分で判断できず、いつも中途半端に終わった感覚が残る | 引き出し一つ、袋一つ分など、終わりが見える単位にする |
| きれいにしまうところまで一度にやろうとする | 分ける作業と収める作業を混ぜると、時間が倍かかって終わらない | その日は分けるだけ。収めるのは次の日でよい |
| 「使えるかどうか」で判断している | 使えない物はほとんどないので、いつまでも減らない | これから使う場面が思い浮かぶかどうかで見る |
| 途中で別の部屋の物を見つけて移動する | 作業があちこちに飛び、どこも終わらない | 「別の場所へ」の箱に入れて、その日は動かない |
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疲れている日、時間がない日
毎日やる必要はありません。ただ、間が空きすぎると再開が重くなります。週に一度でも手を付ける日があると、状態が保てます。
疲れている日は、判断のいらない作業だけにします。ゴミを出す、床の物を寄せる、洗い物を片付ける。判断を伴う作業(残すか手放すかを決める)は、疲れているときにやると後悔する決め方になりやすいので、避けてください。
時間がない日は、タイマーを5分に設定します。5分経ったらやめてかまいません。続けられそうならそのまま続けます。この形にすると、始めるハードルが下がり、結果的に手を付ける日が増えます。
続けるための記録
進んでいる感覚がないと、続きません。物の量は見た目に出にくいので、別の形で記録を残します。
簡単なのは、出した袋の数を数えることです。カレンダーに「3」と書くだけで、月末に見返したときに進んだことが分かります。写真も向いています。作業前に一枚撮っておくと、自分では気づかない変化が見えます。
記録は、他人に見せるためのものではありません。細かく付けようとすると、記録そのものが負担になります。数字か写真、どちらか一つで十分です。
片付けの計画の立て方続ける日を決めておきたい場合は、区画の数え方から予定に落とす方法を書いています。
迷ったときの分かれ目
手が動かない日をどう扱うかは、その日の状態で変えます。無理に同じやり方を通すより、切り替えた方が結果として続きます。
手が動かない日に、それでもやるか休むか
判断のいらない作業だけやる
疲れてはいるが動けるとき。ゴミを出す、床の物を寄せる、平らな面を一つ空ける。残すか手放すかを決める作業はこの日に入れない
完全に休む
体調が悪い、睡眠が足りていない、気持ちが落ちているとき。この状態で判断すると、後で戻したくなる決め方になりやすい。休んだ日を失敗として数えない
時間を決めるか、量を決めるか
時間で区切る
始めるのが重いとき。5分と決めれば始められる。ただし途中で止めても元に戻せる範囲(引き出し一つなど)を選ぶ
量で区切る
始めてしまえば続けられるとき。袋一つ分と決めると、終わったかどうかが自分で分かるので、達成感が残って次につながる
一人でやるか、誰かに居てもらうか
一人でやる
判断に集中したいとき。人がいると説明しながらの作業になり、決めるのが遅くなることがある
誰かに居てもらう
始められない日が続いているとき。作業を手伝ってもらわなくても、同じ部屋に人がいるだけで手が動くことがある。判断は自分がして、運ぶ作業だけ頼む形にすると揉めにくい
片付けのやる気が出ないときのよくある質問
やらなければと思うほど、動けなくなります
やるべき量が頭の中で大きくなっていると、動けなくなります。今日やることを一つだけ紙に書いてください。「押入れを片付ける」ではなく「押入れの右下の箱を一つ開ける」まで小さくします。書いたことだけをやって、その日は終わりにします。残りは今日の自分の担当ではない、と決めておくと動きやすくなります。
始めても、途中で飽きてしまいます
飽きる前に終わる大きさで区切ってください。多くの場合、集中が続くのは30分から1時間ほどです。それを超える作業を一回に入れると、後半は判断が雑になります。途中でやめる前提で、区切りごとに完結する形にしておくと、飽きた時点で終わっても中途半端になりません。
片付けが得意な人と比べて、自分が情けなくなります
比べる相手を変えてみてください。人によって、家にある物の量も、家族の人数も、使える時間も違います。同じやり方が同じ結果になることはありません。見るのは、先週の自分の家との差だけで足ります。袋の数を数えるか、写真を撮っておくと、その差が見えます。
家族に急かされると、余計にやる気がなくなります
急かす側と作業する側で、見ているものが違うことが多くあります。急かす側は結果(片付いた状態)を見て、作業する側は工程を見ています。話すときは、「いつまでに」ではなく「今週はどこをやるか」を共有すると、ずれが小さくなります。手伝ってもらえるなら、判断のいらない作業(運ぶ、袋を出す)を頼むと、揉めにくくなります。
気分が乗ったときにまとめてやる方法ではだめですか
だめではありません。まとめてやれる人は、その方が早く終わります。ただ、その日に散らかした状態を戻しきれる範囲で区切ってください。乗っている勢いで押入れを三つ開けると、力尽きた時点で家が使えなくなります。乗っている日ほど、終わりの時刻を先に決めておくと安全です。
この記事の親ページ
家の片付けの進め方|どこから始めて、どの順番で終わらせるか家全体を片付けるときの順番と、途中で止まったときの立て直し方をまとめてあります。
やる気が出ないとき ― 気持ちを変えずに、手が動く形を作るについて詳しく
「やる気が出ないとき ― 気持ちを変えずに、手が動く形を作る」は、片付けのやる気が出ないときに、気持ちが乗るのを待たず手を動かすための方法をまとめたページです。やる気は、始めたあとから少しずつ出てくるものだと、このページでは考えています。始める前に用意するのは意欲ではなく、5分で終わる作業と、その場ですぐ使える道具です。
片付けが止まってしまう人の多くは、判断が遅いわけではありません。一回の区切りが大きすぎて、終わりが見えないまま止まっているケースが目立ちます。区切りを、終わりが自分で分かる大きさまで小さくすると、同じ人でも進み方が変わります。片付けのやる気が出ないときに手を付けやすくするため、ここでは区切りの作り方と、道具の置き方を順に説明します。
着手が重くなる原因は、作業が大きすぎること、道具が手元にないこと、終わりが見えないことの三つです。どれも始める前に外せるものなので、片付けのやる気が出ないとき、まず見直すのはこの三つになります。「どこから手を付ければいいか分からない」と感じているときは、気持ちの問題ではなく、決めていないことがあるだけという場合もあります。
進め方と注意点
進め方の最初は、調子が出ない日のための作業を決めておくことです。候補は、判断がいらないこと、道具を探さなくてよいこと、5分で完結することの三つを満たすものに限ります。例として、ゴミ袋を一つ結んで玄関の外に出す、テーブルの上の物を置き場所のある物だけ戻す、冷蔵庫の中の期限切れを一つ探して出す、郵便物の山から要らない紙だけを抜く、などがあります。片付けのやる気が出ないときは、この中からどれか一つだけを選んで始めてください。ゴミ袋・空の箱・油性ペンは、しまわずに片付けをする場所に置いたままにしておくと、見えているものが始める合図になります。服や書類が多い家では、たたむための平らな面も先に空けておいてください。テーブルの上が物でふさがっていると、それを片付けるところから始めることになり、そこで終わってしまいます。
注意点は、その日の体調と気持ちの状態に合わせて作業を変えることです。疲れているけれど動けるときは、ゴミを出す、床の物を寄せる、洗い物を片付けるなど、判断のいらない作業だけにしてください。残すか手放すかを決める作業は、疲れているときにやると後で戻したくなる決め方になりやすいため避けます。体調が悪い、睡眠が足りていない、気持ちが落ちているときは、完全に休んでかまいません。休んだ日を失敗として数えないことも大切です。時間で区切るか量で区切るかは、始めるのが重いときは5分と決め、途中で止めても元に戻せる範囲を選びます。始めてしまえるときは、袋一つ分と決めると終わったかどうかが自分で分かり、達成感が残って次につながります。一人でやるか誰かに居てもらうかは、判断に集中したいなら一人で作業し、始められない日が続いているなら、同じ部屋に人がいるだけで手が動くこともあります。
進めるコツ
片付けのやる気が出ないときのコツは、毎日やる必要はないと割り切ることです。ただし間が空きすぎると再開が重くなるので、週に一度でも手を付ける日を作ると状態が保てます。記録は、出した袋の数をカレンダーに書くか、作業前に一枚写真を撮るか、どちらか一つで十分です。集中が続くのは多くの場合30分から1時間ほどなので、一回の作業は途中でやめても中途半端にならない区切りにしておくと、次に手を付けやすくなります。家全体の順番や途中で止まったときの立て直し方は、親ページの「家の片付けの進め方」にまとめています。
よくある質問
- 片付けのやる気が出ないとき、何から始めればいいですか?
- まず、5分で終わる作業を一つ決めてください。ゴミ袋を一つ結んで玄関の外に出す、冷蔵庫の中の期限切れを一つ探して出す、などが例です。判断がいらず、道具を探さなくてよく、5分で完結するものを選びます。やる気は始めたあとから出てくるため、気持ちが戻るのを待つより、この小さな作業から手を付けるほうが続けやすい状態に近づきます。
- 片付けのやる気が出ないとき、途中で飽きてしまうのを防ぐには?
- 飽きる前に終わる大きさで区切ってください。集中が続くのは多くの場合30分から1時間ほどで、それを超える作業を一回に入れると、後半は判断が雑になりがちです。途中でやめる前提で、区切りごとに完結する形にしておくと、飽きた時点で終わっても中途半端になりません。やめるときに、残りは今日の自分の担当ではないと決めておくと動きやすくなります。
- 疲れている日や時間がない日は、片付けのやる気が出ないとき、どうすればいいですか?
- 疲れている日は、ゴミを出す、床の物を寄せる、洗い物を片付けるなど、判断のいらない作業だけにしてください。残すか手放すかを決める作業は避けます。時間がない日は、タイマーを5分に設定し、5分経ったらやめてかまいません。体調が悪い、睡眠が足りていない日は完全に休み、休んだ日を失敗として数えないでください。
- 片付けのやる気が出ないとき、進み具合をどう記録すればいいですか?
- 物の量は見た目に出にくいので、別の形で記録を残すと続けやすくなります。簡単なのは、出した袋の数を数えてカレンダーに書く方法です。作業前に一枚写真を撮っておく方法も向いています。記録は他人に見せるためのものではなく、細かく付けると負担になるため、数字か写真のどちらか一つで十分です。